いわない温泉完全ガイド|2つの泉質と絶景を楽しむ北海道岩内町の温泉地
北海道後志地方の岩内町に位置する「いわない温泉」は、ニセコ連峰の最西端・岩内岳の麓に湧き出る温泉地です。半径500メートル圏内に天水由来の炭酸水素塩泉と海水起源の塩化物泉という2つの異なる泉質が湧出する、全国的にも珍しい温泉地として知られています。積丹半島や日本海を一望できる絶景と、源泉かけ流しの豊富な湯量が魅力のいわない温泉について、泉質の特徴から宿泊・日帰り入浴施設、アクセス方法まで詳しく解説します。
いわない温泉の特徴と2つの泉質
天水由来と海水起源の希少な温泉
いわない温泉の最大の特徴は、狭いエリアに異なる成因の温泉が共存していることです。岩内岳の麓という地理的条件により、山から浸透した雨水や雪解け水が地熱で温められた「天水由来の温泉」と、太古の海水が地下深くに閉じ込められて温泉となった「海水起源の温泉」が、それぞれ独立して湧き出しています。
この2つの温泉は成分も効能も異なり、入浴者は施設によって、あるいは同じ施設内で両方の泉質を楽しむことができます。ニセコ・後志エリアでは比較的珍しい泉質であり、温泉愛好家からも注目を集めています。
炭酸水素塩泉「美肌の湯」
天水由来の温泉は、ナトリウム-炭酸水素塩泉です。この泉質は「美肌の湯」として知られ、肌の古い角質を柔らかくし、皮膚を滑らかにする作用があります。入浴後は肌がすべすべになり、特に女性に人気の高い泉質です。
炭酸水素塩泉は皮膚の表面を清浄にする効果があり、さっぱりとした浴後感が特徴です。また、アルカリ性の性質により、肌の汚れや余分な皮脂を乳化して洗い流す作用もあります。美容効果を求める方には特におすすめの温泉です。
塩化物泉「温まりの湯」
海水起源の温泉は、ナトリウム-塩化物泉で、高濃度のミネラルを含んでいます。この泉質は「温まりの湯」とも呼ばれ、入浴後の保温効果が高いことが特徴です。塩分が皮膚に付着して汗の蒸発を防ぐため、湯冷めしにくく、身体の芯から温まります。
塩化物泉は血行促進効果に優れており、冷え性や筋肉痛、関節痛などに効果が期待できます。また、海水起源のミネラルは現代人に不足しがちな成分を含んでおり、医学的・化学的な調査からも健康増進効果が認められています。
源泉かけ流しの贅沢
いわない温泉の各施設では、豊富な湯量を活かした源泉100%かけ流しの温泉を楽しむことができます。循環濾過や加水をせず、湧き出たままの新鮮な温泉が常に浴槽に注がれているため、温泉成分を余すことなく享受できます。
高温の源泉が豊富に湧き出ることから、加温の必要もほとんどなく、自然のままの温泉を堪能できるのがいわない温泉の大きな魅力です。
いわない温泉の宿泊施設
いわない高原ホテル
いわない高原ホテルは、積丹半島を一望できる高台に位置する温泉リゾートホテルです。雄大なロケーションと「99万ドルの夜景」と称される岩内町の夜景が自慢で、やすらぎと癒しの空間を提供しています。
温泉施設の特徴
2024年に大浴場および露天風呂がリニューアルされ、より快適な入浴環境が整いました。希少ないわない温泉を贅沢に源泉かけ流しで提供しており、天然温泉100%を心ゆくまで満喫できます。
露天風呂は超開放的な造りで、積丹半島の絶景を眺めながらの入浴が可能です。また、100度の本格的なサウナとロウリュも完備しており、温泉とサウナで身も心も「ととのう」体験ができます。内風呂には御影石を敷き詰め、高級感のある空間となっています。
食事とその他の魅力
いわない高原ホテルでは、地元岩内港で水揚げされる新鮮な海の幸を中心とした料理を提供しています。前浜産の魚介類は鮮度抜群で、四季折々の旬の味覚を楽しめます。海と山の幸が集まる港町ならではの豊かな食材を、愉しく美味しくいただけるのが魅力です。
また、ホテルにはピカソの版画を所蔵する荒井記念美術館が併設されており、温泉だけでなく芸術鑑賞も楽しめる文化的な滞在が可能です。
いわない温泉 おかえりなさい
「いわない温泉 おかえりなさい」は、岩内港を望む高台に位置する温泉宿です。その名の通り、まるで故郷に帰ってきたような温かいおもてなしが特徴の宿泊施設です。
温泉施設の特徴
源泉100%かけ流しの天然温泉を提供しており、昼間は積丹半島の美しい景色を、夜は岩内町の夜景を楽しみながら入浴できます。御影石を敷き詰め、ヒノキをふんだんに使った内風呂は、木の香りと高級感のある雰囲気で贅沢な湯浴みの時間を演出します。
露天風呂からは日本海の大パノラマが広がり、開放感抜群です。また、疲労物質を排出する高温のサウナも完備しており、温泉とサウナの相乗効果で深いリラクゼーションを得られます。
宿泊情報
標準的なチェックイン時間は15:00、チェックアウト時間は10:00です。2名利用で税込16,000円からの宿泊プランが用意されており、比較的リーズナブルに温泉旅行を楽しめます。前浜産の魚介料理が特に人気で、地元の食材を活かした料理が好評です。
日帰り入浴施設
サンサンの湯
いわない温泉エリアには、宿泊施設だけでなく日帰り入浴を楽しめる施設もあります。「サンサンの湯」などの日帰り入浴施設では、気軽にいわない温泉を体験できます。
天然温泉100%の掛け流しで、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉の泉質を楽しめます。リウマチ性疾患、運動器障害、きりきず、やけどなどの適応症があり、療養目的での利用も可能です。
日本海と積丹半島が一望できる立地で、入浴しながら絶景を堪能できるのが魅力です。地元の方々の憩いの場としても親しまれており、観光客と地域住民の交流の場にもなっています。
日帰り入浴の利用方法
宿泊施設でも日帰り入浴を受け入れている場合があります。いわない高原ホテルや「おかえりなさい」などでは、事前に確認することで日帰り入浴が可能な場合があります。営業時間や料金は施設によって異なるため、訪問前に各施設に問い合わせることをおすすめします。
日帰り入浴は、宿泊する時間がない方や、ニセコや積丹半島への観光の途中で立ち寄りたい方に最適です。源泉かけ流しの本格的な温泉を気軽に楽しめます。
いわない温泉の効能と適応症
主な適応症
いわない温泉の2つの泉質には、それぞれ異なる効能があります。
炭酸水素塩泉の効能:
- 皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、乾癬など)
- 切り傷、やけど
- 慢性消化器病
- 糖尿病
- 痛風
- 肝臓病
塩化物泉の効能:
- 冷え性
- 筋肉痛、関節痛
- リウマチ性疾患
- 運動器障害
- 神経痛
- 疲労回復
- 切り傷、やけど
現代人の美活・健活に期待できる効果
医学的・化学的な調査により、いわない温泉は現代人の美容と健康維持に有効であることが確認されています。炭酸水素塩泉による美肌効果と、塩化物泉による温熱効果・血行促進効果の組み合わせは、ストレス社会で疲れた心身のリフレッシュに最適です。
特に、デスクワークなどで運動不足になりがちな現代人にとって、温泉による血行促進と筋肉の緊張緩和は重要な健康増進手段となります。また、美肌効果は女性だけでなく、男性の肌ケアにも有効です。
いわない温泉周辺の魅力
絶景スポット
いわない温泉の最大の魅力の一つが、ここでしか会えない絶景です。岩内町は日本海に面した港町で、積丹半島の雄大な景色を一望できます。特に夕日の美しさは格別で、水平線に沈む夕日が海を赤く染める光景は圧巻です。
岩内岳をはじめとするニセコ連峰の山々も間近に望め、海と山の両方の自然美を同時に楽しめる贅沢なロケーションです。冬には雪化粧した山々と紺碧の海のコントラストが美しく、四季折々の表情を見せてくれます。
海と山の幸が集まる港町
岩内町は、日本海の豊かな漁場と後志地方の農産物が集まる食の宝庫です。岩内港では、タラ、ホッケ、イカ、ウニ、アワビなど四季折々の新鮮な海産物が水揚げされます。
また、後志地方は農業も盛んで、じゃがいも、アスパラガス、トマトなどの野菜も豊富です。いわない温泉の宿泊施設では、これらの地元食材を使った料理を味わうことができ、温泉とグルメの両方を満喫できます。
文化・歴史の魅力
岩内町は、ビールの原料である「ホップ」が日本で初めて発見された町として知られています。この歴史的背景から、町には独特のビール文化が根付いています。
また、いわない高原ホテルに併設された荒井記念美術館では、ピカソの版画をはじめとする名画を鑑賞できます。温泉と芸術を組み合わせた文化的な滞在が可能で、心身ともにリフレッシュできる環境が整っています。
古き良き港町の文化も残っており、地元の人々との交流を通じて、温かい人情に触れることができます。
いわない温泉へのアクセス
車でのアクセス
札幌方面から:
- 札幌市内から国道5号線経由で約2時間30分
- 高速道路利用の場合:札樽自動車道→小樽IC→国道5号線→岩内町(約2時間)
ニセコ方面から:
- ニセコ町から国道276号線・国道5号線経由で約40分
小樽方面から:
- 小樽市内から国道5号線経由で約1時間20分
駐車場は各施設に完備されており、車でのアクセスが便利です。
公共交通機関でのアクセス
JR利用:
- JR函館本線「小樽駅」下車後、バスで約1時間30分
- 最寄りのバス停から徒歩またはタクシー利用
バス利用:
- 札幌から岩内行きの高速バスが運行されています(所要時間約3時間)
- 小樽からは路線バスで岩内町へアクセス可能
公共交通機関の場合、本数が限られているため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。また、宿泊施設によっては最寄りのバス停やJR駅からの送迎サービスを提供している場合もあるので、予約時に確認すると良いでしょう。
周辺観光地との組み合わせ
いわない温泉は、ニセコ、積丹半島、小樽、余市などの人気観光地への旅の拠点としても便利な立地です。
- ニセコ:車で約40分。冬はスキー、夏はアウトドアアクティビティが楽しめます
- 積丹半島:車で約30分。積丹ブルーと呼ばれる美しい海と海鮮グルメが魅力
- 小樽:車で約1時間20分。運河や歴史的建造物、ガラス工芸が人気
- 余市:車で約50分。ウイスキー蒸留所やワイナリー巡りができます
これらの観光地を巡った後、いわない温泉で疲れを癒すという旅程が人気です。
いわない温泉を最大限に楽しむコツ
2つの泉質を入り比べる
いわない温泉の最大の魅力である2つの異なる泉質を、ぜひ入り比べてみてください。炭酸水素塩泉の美肌効果と、塩化物泉の保温効果を両方体験することで、それぞれの特徴をより深く理解できます。
施設によっては両方の泉質を楽しめる場合があるので、宿泊や日帰り入浴の際に確認してみましょう。
絶景を楽しむタイミング
露天風呂からの景色を最大限に楽しむなら、時間帯にこだわってみましょう。
- 朝:清々しい空気の中、朝日に照らされる積丹半島を眺める
- 昼:青空と紺碧の日本海のコントラストを楽しむ
- 夕方:水平線に沈む夕日の絶景
- 夜:岩内町の夜景「99万ドルの夜景」と星空
宿泊すれば、これらすべての時間帯の入浴を楽しめるのが大きなメリットです。
サウナと温泉の組み合わせ
本格的なサウナを完備している施設では、サウナと温泉を交互に楽しむことで「ととのう」体験ができます。高温サウナで汗を流した後、源泉かけ流しの温泉に浸かり、外気浴で休憩するサイクルを繰り返すことで、深いリラクゼーション効果が得られます。
ロウリュサービスがある施設では、さらに本格的なサウナ体験が可能です。
地元グルメを堪能する
いわない温泉を訪れたら、地元の海の幸は必ず味わいたいところです。岩内港で水揚げされる新鮮な魚介類は、鮮度と品質が抜群です。特に、ウニ、アワビ、ホッケ、タラなどは岩内の名物として知られています。
宿泊施設の食事だけでなく、町内の飲食店や市場を訪れて、地元の食文化に触れるのもおすすめです。
いわない温泉の四季
春(4月〜6月)
雪解けが進み、岩内岳の山々に緑が戻り始める季節です。桜の開花は本州より遅く、ゴールデンウィーク頃に見頃を迎えます。春の海産物として、ホッケやタラの子(真子)が美味しい時期です。
気温も穏やかになり、観光と温泉を楽しむには最適なシーズンです。まだ観光客も少なく、ゆったりと温泉を楽しめます。
夏(7月〜9月)
北海道の短い夏は、いわない温泉でも最も賑わう季節です。積丹半島の「積丹ブルー」が最も美しく輝く時期で、ドライブやシュノーケリングなどのアクティビティと温泉を組み合わせた旅行が人気です。
ウニ漁の解禁時期(6月〜8月)には、新鮮な生ウニを味わえます。また、夏野菜も豊富で、地元食材を使った料理が一層充実します。
夏でも夜は涼しく、温泉が心地よい気候です。
秋(10月〜11月)
紅葉の季節で、岩内岳周辺の山々が赤や黄色に色づきます。温泉に浸かりながら眺める紅葉は格別の美しさです。秋は海産物も豊富で、サケ、イクラ、サンマなどが旬を迎えます。
気温が下がり始めるため、温泉の温かさがより一層心地よく感じられる季節です。観光客も夏より少なくなり、落ち着いた雰囲気で温泉を楽しめます。
冬(12月〜3月)
雪に覆われた幻想的な景色の中で温泉を楽しめる季節です。露天風呂での雪見風呂は、北海道ならではの贅沢な体験です。冷たい外気と温かい温泉のコントラストが心地よく、温泉の保温効果もより実感できます。
ニセコでのスキー・スノーボードと組み合わせた温泉旅行も人気です。冬の海産物として、タラ、ホッケ、カニなどが美味しい時期です。
冬の日本海は荒々しく、波しぶきが上がる迫力ある景色も見どころです。
いわない温泉の未来への取り組み
持続可能な温泉地づくり
いわない温泉では、大切な温泉資源を次の世代へ引き継ぐため、持続可能な温泉地づくりに取り組んでいます。源泉の適切な管理と保全、環境に配慮した施設運営など、すべての人と未来をつくる意識が根付いています。
地域住民と観光客が共に温泉を楽しみ、地域の活性化と環境保全を両立させる取り組みが進められています。
温泉の科学的研究
いわない温泉では、医学的・化学的な調査を継続的に行い、温泉の効能を科学的に検証しています。現代人の健康課題に対する温泉の有効性を明らかにすることで、より効果的な温泉療養の提案が可能になっています。
こうした研究成果は、温泉の価値を高め、多くの人々に温泉の恵みを届けることにつながっています。
まとめ
いわない温泉は、天水由来の炭酸水素塩泉と海水起源の塩化物泉という2つの異なる泉質を持つ、全国的にも珍しい温泉地です。「美肌の湯」と「温まりの湯」の両方を源泉かけ流しで楽しめ、積丹半島や日本海の絶景を眺めながらの入浴は格別の体験となります。
いわない高原ホテル、いわない温泉おかえりなさい、サンサンの湯などの施設では、それぞれ特色ある温泉体験を提供しており、宿泊でも日帰りでも楽しめます。新鮮な海の幸と山の幸を使った料理、ピカソの版画が鑑賞できる美術館、99万ドルの夜景など、温泉以外の魅力も豊富です。
ニセコ、積丹半島、小樽、余市などの観光地への拠点としても便利な立地で、北海道旅行の中継地として、あるいは目的地として、多様な楽しみ方ができます。
医学的・化学的な調査で効能が確認された温泉で、現代人の美活・健活をサポートし、持続可能な温泉地づくりにも取り組むいわない温泉。海と山に恵まれた豊かな自然、食、文化、歴史を存分に楽しめる温泉地として、多くの人々に愛され続けています。
日々の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュできるいわない温泉へ、ぜひ足を運んでみてください。